先日、取引先の人と雑談をしている時、商談で大失敗をしてしまったことについて、話してくれました。
その人のことを仮にAさんとしましょう。
Aさんは、Aさんのお客様に商品を2つ買ってもらう約束をしました。
その商品は、高価なもので、ひとつ20万円ほどします。
この商品が同時に2つ売れることは、ほとんどありません。
Aさんは、とても嬉しくなってしまい、少しサービスしたくなったようです。
ひとつ20万円の商品を18万円に値引きし、なおかつ消費税分も値引きしてしまいました。
それでも、36万円の売り上げにホクホクでした。
ところが、Aさんは、納品する前日に、2つの商品のうちのひとつに不具合がある可能性を発見したのです。
親切なAさんは、すぐにお客様に連絡をし、
「まだ可能性の段階なので分からないけれど、もし不具合があったら、それは3万円で譲ります。」
と言ってしまいました。
その後、商品を検査に出し、不具合がないことが分かったAさんは、ホッとして、すぐにお客様へ連絡。
「検査の結果、不具合はありませんでした。大丈夫です。」と伝えました。
ところが、正常な商品を2つで、36万円と請求したところ、お客様から「話が違う!」と言われました。
「片方は3万円だと言ったじゃないか!」という訳です。
これに困ったAさんは、それなら片方の商品だけ返品に応じますと言い、1つだけ返品してもらいました。
結局、商品はひとつ売れただけ。
しかも、18万円に値引きした上に消費税分も値引きした価格です。
本来なら、216,000円の入金になるところが18万円です。
仕方がないけれど納得いかないとAさんは、ガッカリしていました。
Aさんは、行動の順番を間違えたのですね。
「不具合の可能性を発見」
↓
「お客様に報告」
↓
「検査」
↓
「不具合がないことが判明」
この順番を
「不具合の可能性を発見」
↓
「検査」
↓
「不具合がないことが判明」
↓
「納品」
こうすれば、問題は生じませんでした。
世の中には仮定の話が通じない人がたまにいます。
「もし、こうだったらこうなります。」
という話の中で、「こうなります。」だけを頭にインプットして、「もし、こうだったら」の部分を捨ててしまうのです。
特に個人客を相手に契約書をかわさず、口約束を前提にビジネスをする場合は注意が必要です。
そんな人を相手にした場合、リスクを限りなくゼロにするには、話し方、話す順番がとても大切です。
「もしも、理論的な話が通じない人だったら」
常にその仮定を念頭に置いて商談をすることで、リスクをぐっと減らすことができます。
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